高齢者や寝たきりの方々にとって、歯科診療は健康維持に欠かせない要素です。近年、口腔内細菌と全身疾患の関連性については注目されています。歯周病と糖尿病の強い関連性などもわかってきており、口腔内の細菌が呼吸器系や心臓、糖尿病など全身の疾患を引き起こす可能性が高いと言われております。口腔ケアは全身の健康にも大きく影響することは明らかです。訪問歯科診療を利用することで、通院が難しい方々や寝たきりの方々の健康状態を改善し、維持することができるのです。
口腔ケアとあわせて、「噛める」ということも重要性です。歯がほとんどない状態の方はそうでない方と比較すると、認知症のリスクを高めます。残っている歯の数と義歯の使用状況は、認知症の発症までの期間と密接に関連しています。自然歯が20本以上残っている人と比較して、歯が少なく義歯を使用していない人の認知症リスクは1.9倍になるといったデータもあります。歯がない方でも義歯などを使用・ケアをし、しっかりと「噛める」状態を維持することが大事なのです。