2024.11.02更新
インプラントとMRI・CTについて知っておくべきこと
インプラント治療は今では一般的な治療であり、
昨今多くの患者さんが安心して選ばれる歯科治療の一つとなっています。
その中でも、もちろん他治療と合わせて検討される方も少なからずいらっしゃいます。
検討される際に不安や疑問に挙げられる項目として、MRIやCTスキャンへの影響についてご質問頂きます。
今回はインプラントとMRI・CTスキャンの関係について詳しくお答えしていきます。
目次
1.インプラント治療とはどんなもの?
2.インプラントとMRI
3.インプラントとCTスキャン
4.インプラント治療のメリットだけでなくデメリットも紹介
5.費用と治療期間
6.まとめ
1.インプラント治療とはどんなもの?
インプラント治療は、天然歯を事故や虫歯・歯周病などで失ってしまった場合、
それをしっかりと補う為の治療法です。顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、
その上に人工歯を被せていきます。入れ歯やブリッジに比べて自然な見た目と普通の歯と同様の使用感があり、
年齢問わず治療が必要な患者さんに選ばれています。
手術は検査の結果で問題がなければ局所麻酔が使われます。
インプラント体を顎の骨に埋入した後、骨と結合するまで数ヶ月かかります。
この結合プロセスを「オッセオインテグレーション」と呼び、
これが成功するとインプラントの基盤を安定させることが出来ます。
インプラントは、1本の歯から複数本も対応可能であり、
特殊な技術を用いればすべての歯をインプラントにすることも可能です。
なお、口腔内の状態や全身の健康によっては適さない場合があり、
特に顎の骨量が不足している場合には骨を増やすといった特殊な手術が必要になります。
【参考情報】インプラント治療の痛みについて解説!痛みがある場合の対処法も紹介します。
2 .インプラントとMRI
MRI(磁気共鳴画像法)は、磁場とラジオ波を利用して体内の組織を撮影する検査です。
MRI検査では体内に金属があった場合、問題がでるような内容がよく取り上げられます。
その際に、インプラントを懸念されるケースがよく聞かれますが、結論問題ありません。
インプラントに使われるチタン合金は生体適合性が高く、非磁性であるためMRI検査において安全とされています。
ただし、インプラント周辺の画像がいくつかゆがむ可能性があるため、
MRI検査を受ける際には歯科医院や検査施設にインプラント治療有無を伝えることが大切です。
これにより、技師や医師が画像結果を正確に把握しやすくなります。
3.インプラントとCTスキャン
CTスキャン(コンピューター断層撮影)は、X線を利用して体内の断層画像を取得する技術で、
インプラント治療では顎骨の状態を把握するために活用されます。
CTスキャンにより、インプラントの正確な埋入位置と角度を計画できます。
インプラント自体はCT撮影に影響を与えませんが、
口内の他の金属(詰め物やクラウンなど)が画像のゆがみ(ファアーチクト)を考える場合もあります。
検査前にガイドラインに従って歯科医師と相談の上で検査を受ければ問題ありません。
4.インプラント治療のメリットだけでなくデメリットも紹介
インプラント治療には多くのメリットがあります。 最も大きな点は、自然な見た目と快適な使い心地が得られることです。
入れ歯やブリッジとは異なり、インプラントは顎骨にしっかりと固定されるため、食事や会話時も安定感があり安心です。
また、インプラントは長い期間維持できる強い耐久性を持ちますが、
歯周病菌への感染や顎骨が減少してしまうリスクも存在します。
定期的なメンテナンスと口腔ケアが必ず必要になります。
さらに、経済的な側面では、インプラント治療は高額になる傾向があります。
費用はインプラントの治療期間や患者さんの口腔状態により異なりますが、
1本あたり数十万円が一般的で、治療全体の総額は数十万から数百万円に達することもあります。
5.費用と治療期間
インプラント治療費用は、対応する歯科医院によって異なりますが、
一般的には1本あたり40~60万円が目安です。
この金額には検査費用、手術費用、インプラントやクラウンの費用が含まれます。
それに加えて、必要に応じて骨造成手術が追加される場合は、さらに費用がかかります。
治療期間は通常4ヶ月から1年程度です。
初回診察で行うCTスキャンや診断をもとにインプラントを埋入し、
その後、骨とインプラントがしっかり結合するまで数ヶ月の安定期間が必要です。
6.まとめ
インプラント治療は、安定した機能と自然な見た目を実現できるとても魅力的な治療方法です。
一方で、MRIやCTスキャンなどの医療画像検査に対する理解と注意が必要です。
インプラント自体はこれらの検査に大きな影響を与えませんが、
検査の際は医師や歯科医師に事前にインプラントの有無を伝えておくことが大切です。
また、治療には費用や時間、術後のケアが求められるため、
治療に対する考え方、疑問や不安がある場合は、
歯科医師に相談し、十分なアドバイスを受けましょう
京町歯科医院
日本顎咬合学会認定医
院長 友貞 宗人(ともさだ むねと)
【所属】日本顎咬合学会、スタディーグループ赤坂会、東京SJCD
投稿者: