2026.08.01更新
「入れ歯が外れる・ずれる」その原因と改善策|入れ歯に精通した歯科医師が優しく解説
「食事中に入れ歯が動いて、しっかり噛めない」
「会話中に外れそうで、人前で話すのが怖い」
「くしゃみをすると入れ歯が飛び出しそうになる」
入れ歯の”ずれ”や”外れ”は、日常生活の質を大きく下げてしまう悩みです。「そういうものだから」と諦めていらっしゃる方も多いのですが、実は原因を突き止めれば、多くのケースで改善が可能です。
京町歯科医院では、患者さんお一人おひとりのお口の状態を丁寧に診査し、安定して快適に使える入れ歯をご提案しております。本記事では、入れ歯がずれる・外れる原因と、ご自宅でできる対策・歯科医院での改善方法まで、分かりやすく解説いたします。
📑 目次
1. 入れ歯の”外れ・ずれ”は、諦める必要はありません
多くの方が抱える悩みです
「入れ歯が外れる・ずれる」というお悩みは、決して珍しいものではありません。当院にご相談にいらっしゃる患者さんの中にも、「これはもう仕方ないと思っていました」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。しかし、実は原因を丁寧に探れば、多くのケースで改善策が見つかります。
我慢し続けると起こる悪循環
外れる不安から食事量が減り、栄養状態が悪くなる。人と会う機会を避けるようになり、外出や会話が減る。こうした状態が続くと、お口の健康だけでなく、全身の健康や心の元気まで損なわれてしまうことがあります。
京町歯科医院の考え方
京町歯科医院では、患者さんとのコミュニケーションを何より大切にしております。「どんな場面で外れるか」「どんな食事を楽しみたいか」を丁寧に伺い、あなたの生活に合わせた改善策をご提案いたします。
2. 入れ歯が外れる・ずれる7つの原因
入れ歯が外れたりずれたりする原因は、実に多岐にわたります。ここでは代表的な7つをご紹介します。
原因① 顎の骨が痩せてきた(骨吸収)
歯を失った後、顎の骨は少しずつ痩せていきます(骨吸収)。作った当初はぴったりだった入れ歯が、数年経つと合わなくなるのは、この骨の変化が大きな原因です。特に総入れ歯では、骨吸収が進むほど吸着が弱くなります。
原因② 入れ歯の形が合っていない(不適合)
入れ歯の内面の形が、現在の歯ぐきの形と合っていないケースです。歯ぐきとの間に隙間があると、吸着力が弱まり、動きやすくなります。
原因③ 噛み合わせのバランスが崩れている
上下の入れ歯や残っている歯とのかみ合わせがずれていると、噛むたびに入れ歯が動いてしまいます。特定の場所だけで噛むクセも、外れやすさの原因になります。
原因④ 唾液の量が減っている(ドライマウス)
総入れ歯は、歯ぐきと入れ歯の間の唾液による吸着で維持されます。加齢や薬の副作用で唾液が減ると、吸着力が弱くなって外れやすくなります。
原因⑤ 舌や頬の筋肉の使い方
舌や頬の筋肉が入れ歯を押し出したり、逆に支える力が弱かったりすると、入れ歯が安定しません。お口周りの筋肉の使い方も、実は入れ歯の安定に大きく関係しています。
原因⑥ 部分入れ歯の金属バネ(クラスプ)の緩み
部分入れ歯を支える金属バネが、長年の使用で緩んでくることがあります。バネのかかる歯にも負担がかかるため、早めの調整が必要です。
原因⑦ 入れ歯自体の経年劣化
入れ歯にも寿命があります。樹脂部分の変形、すり減り、変色などが進むと、フィット感や噛み心地が損なわれます。定期メンテナンスの時に状態を確認することをおすすめします。
3. 入れ歯がずれる時、ご自宅でできる対策
入れ歯安定剤の正しい使い方と注意点
入れ歯安定剤は、一時的な応急処置として有効です。ただし、長期間の使用は入れ歯の不適合を隠してしまうため、根本的な問題を見逃す原因になります。「毎日安定剤なしでは使えない」状態は、調整や作り直しのサインです。
食事の工夫(食べ方・食べ物の選び方)
入れ歯に慣れるまでは、以下のような食事の工夫が有効です。
- 食べ物を細かく切ってから口に入れる
- 左右均等に噛むことを意識する
- 粘着性の強いもの(お餅・キャラメルなど)は避ける
- 硬いもの(お煎餅・スルメなど)は少しずつ慣らす
話し方の慣らし方(発音練習)
入れ歯の装着直後は発音がしにくくなることがあります。本を音読するなど、ゆっくり話す練習を続けると、多くの場合1〜2週間で慣れてきます。
舌・頬の筋トレ(口腔機能訓練)
口周りの筋肉を鍛えると、入れ歯の安定性が向上します。「あいうべ体操」や舌の運動などを1日数回行うだけでも効果が期待できます。
これだけは避けたいNG対応
ご自身で入れ歯を削ったり、曲げたりすることは絶対に避けてください。入れ歯の破損や、状況の悪化を招く危険性があります。安定剤の過剰使用も禁物です。
4. 歯科医院で行う”外れる入れ歯”の改善方法
入れ歯の調整(フィット感の再構築)
まずは、入れ歯の内面や縁を細かく調整して、歯ぐきとの適合を改善します。ミリ単位の繊細な調整で、フィット感が大きく変わることがあります。
裏打ち(リベース・リライニング)
入れ歯の内面に樹脂を追加して、痩せた歯ぐきの形にぴったり合わせる方法です。作り直しよりも短期間・低コストで改善できるケースが多くあります。
噛み合わせの再調整
上下の入れ歯や残存歯とのバランスを整えることで、噛むたびに動く現象を改善します。
入れ歯の作り直し
経年劣化や骨吸収が大きく進んでいる場合は、調整では対応できず作り直しが必要となります。現在の状態に合わせて、より安定する設計で製作いたします。
インプラントで安定させる「オーバーデンチャー」
少数のインプラントを支台として入れ歯を固定する方法です。「ずれない」「外れない」入れ歯として注目されています。全部をインプラントにするより費用を抑えられ、噛む力も大きく回復します。
磁石で固定する「マグネットデンチャー」
残っている歯根や、インプラントの上に磁石を取り付け、その磁力で入れ歯を固定する方法です。着脱がスムーズで、安定性も高いのが特徴です。
自費入れ歯の選択肢(金属床・ノンクラスプなど)
金属床義歯は薄く軽く、装着感が優れています。ノンクラスプデンチャーは金属バネがなく審美性に優れます。院長は自費治療で技術を磨いてきた経験を活かし、あなたに最適な選択肢をご提案いたします。
5. 外れにくい入れ歯を作るために大切なこと
精密な型取り(印象採得)
外れにくい入れ歯の第一歩は、正確な型取りです。歯ぐきの動きや粘膜の状態まで反映させた精密な印象採得が、フィット感の決め手になります。
顎の骨の状態を正確に把握する診査
レントゲンや必要に応じてCTを用いて、顎の骨の量と形を正確に把握します。骨の状態を踏まえた設計が、長く安定して使える入れ歯につながります。
かみ合わせの丁寧な設計
外れにくい入れ歯は、かみ合わせが均等であることが重要です。複数回にわたる微調整を通じて、快適に噛める状態に仕上げます。
定期的なメンテナンス
作った後も、定期的な調整とお手入れが不可欠です。当院では、入れ歯の方こそ定期メンテナンスが大切と考え、継続的なサポートを行っております。
京町歯科医院の入れ歯製作の特徴
当院では、まずは患者さんのお話をじっくり伺うことから始めます。「どんな食事を楽しみたいか」「どんな場面で困っているか」を共有していただくことで、あなたの生活に本当に合った入れ歯をご提案できます。
6. よくあるご質問
Q1. 入れ歯安定剤は、毎日使い続けても大丈夫ですか?
A. 短期的な使用であれば問題ありませんが、「毎日使わないと外れる」状態は入れ歯が合っていないサインです。長期使用は入れ歯の不適合を隠し、根本的な問題を悪化させる恐れがあります。
Q2. 入れ歯が外れやすいのは、私の使い方が悪いから?
A. いいえ、多くの場合は入れ歯自体や、お口の状態の変化が原因です。ご自身を責める必要は全くありません。まずは原因を一緒に探しましょう。
Q3. 何年くらいで作り直すのが目安ですか?
A. お口の状態やお使い方により異なります。毎年の定期健診で状態を確認し、必要に応じて調整・作り直しをご提案いたします。
Q4. 他院で作った入れ歯でも調整してもらえますか?
A. はい、他院で作られた入れ歯の調整・修理も承っております。まずは現在の状態を拝見させてください。
Q5. インプラントを併用すると、どのくらい安定しますか?
A. インプラントオーバーデンチャーは、「ずれない」「外れない」を実現できる代表的な選択肢です。噛む力も大幅に回復し、食事の楽しみが戻ったという声を多くいただいております。
7. まとめ|”外れる不安”から解放されるために
入れ歯が外れる・ずれるという悩みは、「顎の骨の変化」「入れ歯の不適合」「噛み合わせのずれ」など、必ず原因があります。そして、そのほとんどが調整・作り直し・インプラント併用などの方法で改善できるものです。
京町歯科医院では、患者さんとのコミュニケーションを何より大切にしております。「こんなこと相談していいのかな」と迷われる段階でも大歓迎です。まずは今のお悩みをお聞かせください。「もう一度食事を楽しみたい」「人前で自信を持って話したい」というお気持ちに、私たちも一緒に向き合わせていただきます。
8. 院長紹介
― この記事の執筆者 ―
友貞 宗人(ともさだ むねと)
京町歯科医院 院長/日本顎咬合学会認定医
歯科医師になったばかりの頃は、自費治療中心の医院で技術を磨くことに専念。その後もセミナーやスタディグループへ積極的に参加し、臨床の研鑽を重ねてまいりました。
現在は、その技術を礎にしながら、「患者さんとのコミュニケーション」を何より大切にしております。「良い治療も、何も知らされずに口を開けているだけでは不安になってしまうもの」との想いから、ご希望を丁寧に伺い、治療方針を分かりやすくお伝えすることを心がけております。
【経歴】
- 平成元年 明海大学歯学部 卒業
- 平成9年 京町歯科医院 継承・院長就任
【資格】日本顎咬合学会認定医
【所属】日本顎咬合学会/スタディーグループ 赤坂会/東京SJCD
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